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明日の門

明日の門

2023年制作
素材:ダンボール、スチロール、鉄芯、新聞紙、アクリル絵具、オイルバニッシュ
サイズ:370×800×200cm
展示場所:『朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在』大分県立美術館
撮影:久保貴史

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『明日の門をつくるに於いて』

「明日の門」は、彫刻であり、人形であり、神像であり、象徴であり、空間を含めた公園である。そして、近代・現代日本彫刻を巡る140年という歴史物語の挿絵とする気概で制作をした。価値観は時代と共に、常に移ろい変化してゆく。江戸時代に人形と呼ばれていたものが、明治時代に彫刻や工芸となった。昭和初期には英雄の象徴であった軍人像が、戦後には悪しき象徴となり排除された。そうあるべきであった概念が、揺らぎに揺らぎ、明日には違うものとなる。今、私達が見ている現代の世界も移ろいの中にあり、絶対的な価値というものは存在しない。それなら全てを疑い、全てを受け入れ、ごちゃまぜにして飲み込んでみたいと思った。朝倉文夫の自然主義も、高村光太郎のロダニズムも、具象も、抽象も、神も、仏も、過去も、未来も、善も、悪も、全てを門の中に詰め込みたい。私達は移ろいゆく歴史の先端に立っていて、最も自由で開かれた存在なのだ。「明日の門」は鑑賞者がくぐり抜けることで完成する。この門の先にあるものは、過去全てを飲み込んだ末の、自由に思考できる創造的未来である。
(図録寄稿文より抜粋)

『朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在』公式WEBサイト